志賀山流独自の型や小道具など【4】

櫓お七

恋人に会いたいがために火付けをしたという実在の少女を、井原西鶴が「好色五人女」で取り上げて以来広く知られる事になり、歌舞伎や人形浄瑠璃などで人気を博した演目です。
中でも、日本舞踊においては、「人形振り」(後見などが後ろに付き、演者は文楽人形のように舞う)が見所となっています。

この演目における志賀山流の特徴は、お七狂乱場面での衣装にあります。
狂乱の場面では、最初の黄八丈の衣装を脱いで長襦袢姿になりますが、その長襦袢の模様が独特です。
通常は、衣桁に掛けた着物の写真のように三色(赤、水色、白)の襦袢ですが、志賀山流ではそこに黒が入ります。
色合いが少しわかりにくいですが、舞台上で櫓に上り見得を切っている写真の衣装が、四色(赤、水色、白、黒)の志賀山独自の衣装です。

文責 宗家代理 志賀山 律

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