志賀山流独自の小道具と言えば、「手習子」の折り手本があげられます。 〽夫(つま)の為とて天神様え願掛けて、の部分、他流では手踊りが主ですが、志賀山では折り手本を使用し、転読のような所作をします。(転読というのは、経本を上からバラバラと落とし、すべての内容を読んだとする作法で、大般若経転読会などで行われています) 歌川広重の「寺子屋遊び」という絵にもお手本をバラバラと落とす描写がありますので、子供たちが折り手本をおもちゃにして楽しんでいる振りだと思われます。(画像) 志賀山流の「手習子」では、小道具の他に、動きの激しさが特徴的であります。 舞の中盤の〽琴や三味線踊りの稽古、の部分は、横にぴょんぴょん飛んだりしますし、終盤の〽諸鳥の囀り、では傘を両手で持ち上げてケンケンします。昔、評論家の先生に、女踊りとしては激しすぎる、と言われ、現宗家が町娘だからおきゃんなんです、と反論していたのが思い出されます。なお、小寺融吉著 『をどりの小道具』によると、『終りの 諸鳥の囀り」は、志賀山流では扇を使ふ。』とありますが、残念ながら近年では傘に落ち着いております。 文責 宗家代理 志賀山 律