能を起源とするため、その振り付けは、古典の中でも特に古格を守る伝承があります。
その第一にあげられるのが、ナンバ歩きです。
ナンバ歩きとは右手と右足、左手と左足を同時に出す日本古来の歩き方です。
志賀山流では、志賀山三番叟の中にナンバ歩きが伝承されています。
記憶に新しい
中村勘九郎さんの主演作
忠臣蔵狂詩曲
中村仲蔵
出世階段(しゅっせのきざはし)では、志賀山流の歴史が詳しく紹介され、また、志賀山三番叟誕生のこと、ナンバ歩きのことなど、ドラマチックに取り上げられていました。
ナンバ歩きのことに関しては学術的に厳密な確証は存在してはおりませんが、江戸時代以前は、日本人全般、あるいは武士などの訓練された人々がナンバ歩き・ナンバ走りをしていたと言われています。今の、手と足を交互に動かす歩き方は、西洋的生活様式によるもののようです。
その歩行方法が、今また古武術や陸上競技などで取り入れられ、話題になった事もありますが、志賀山流の舞の振りにおいては、そのナンバの型が多く取り入れられています。
第二に、流派独自の作品があり、小道具や衣装の決まりなどに、独自の型を持ちます。
そのあたりを順次、ご紹介していきたいと思います。
文責 宗家代理 志賀山律